高効率水素製造を実現するセラミック膜の最前線：キャピラリータイプ高温水素分離膜モジュールの開発

摘要

近年，環境問題や燃料枯渇エネルギー危機などへの意識が高まる中で小型，中型燃料電池システム開発が注目され，システム全体の効率化，簡素化，小型化および低温度運転が課題となっている．天然ガスを原料とするメタン改質の膜反応器では500～600℃での稼動，小型化，低価格化の実現によって課題解決の可能性がある．セラミックスのチューブ状基材へ無機水素分離膜を積層し集積化，モジュール化することは，その有力候補である．特に小型化を狙う場合，外径3mm程度の多孔質セラミックスキャピラリーが基材に有望である．本稿では外径が2.8mmの多孔質α－アルミナキャピラリー基材を用いた500℃以上で動作可能な水素分離膜モジュール開発における多孔質キャピラリー基材開発，集積化およびモジュール化技術について紹介する．