溶湯による金型の過熱量を用いた冷却管形状及び配置の最適化

摘要

ダイカストにおける金型温度は鋳造サイクルの各プロセス（型閉じ－射出－溶湯保持-型開き-離型剤塗布等）の条件に依存する．特にサイクルが短いダイカストでは金型温度に対する内部冷却の寄与が大きく，適正温度を維持するための最適な冷却管形状，配置が必要である．数値計算による伝熱解析から所定の冷却管形状に対する温度予測は一般に行われているが，冷却管の最適な形状，配置は試行錯誤で求める必要があり，実質上経験的な設計に頼ることが多い．近年，数値解析による最適化設計は盛んに行われ，機械，土木など様々な分野で活用されている．鋳造の生産工程においてもプランジャの射出速度など限定された設計変数のもと最適化が行われ，その有効性が確認されている．一方，金型の冷却管に関してもその形状，配置の任意性より，膨大な組合せからの絞込みが必要となり実用的手法が必要である．