高ロール周速，高冷却速度のアルミニウム合金用双ロールキャスクの開発

摘要

アルミニウム合金用の双ロールキャスクは，溶湯から直接薄板の作製が可能であるため省工程·省エネルギー·急冷凝固の利点がある．また，設備の初期投資費用が一般的な薄板の作製法であるDC（Direct Chill）鋳造·熱間圧延法と比較して半分以下であることも双ロールキャスクの利点である．しかし，生産性が低いという欠点もある．一般的な双ロールキャスクのロール周速（鋳造速度）は6m／min以下であり，生産性を向上させるためには，ロール周速の高速化が必要である．双ロールキャスクの冷却速度は，700～1000K／sと高い．急冷効果による固溶限の拡大やAl-Si-Fe系などの金属問化合物及び結晶粒の微細化などの利点がある．冷却速度を高めることができれば，急冷効果とロール周速（生産性）を改善することができる．そこでロール等の冷却能を改善し，鋳造板の冷却速度を向上させて高ロール周速による薄板の鋳造が可能な縦型の双ロールキャスタ（以後，縦型高速双ロールキャスクと記す）を開発した．