特集にあたって

摘要

以前には，材料の欠陥は，機械·構造物の性能と安全性確保上好ましくないものとして，検出された欠陥は全て補修されていた。 しかし，欠陥の有害度を定量的に評価できる破壊力学の進歩により，2003年度に我が国においても維持基準が導入された。以来一部の分野では，材料欠陥は次のように取扱われている。 （A）非破壊検査によって欠陥を検出し，大きさを評価する，（B）維持基準等によりその欠陥が有害であるか否かを判定する，（C）有害であると判定された場合には直ちに補修するが，そうでない場合にはその欠陥を監視しつつ使用を継続する。 この方法が極めて論理的であることはいうまでもないことである。 しかし，最近ヘルスモニタリングなる新しいコンセプトが提案され，航空·宇宙分野を中心に活発な研究が実施されている。 これは，材料や構造に欠陥が発生したら，直ちに知らせるという素晴らしいコンセプトである。