素材製造プロセスにおける環境·エネルギー対策：製鉄技術を活用した循環型社会の取り組み

摘要

日本は資源の海外依存率が高く，廃棄物の再資源化や資源の有効利用が重要な課題と考えられ，循環型リサイクル社会の構築に向けて各種廃棄物のリサイクルを促進する循環型社会形成基本法が2001年に施行された。 一方，鉄鋼業はエネルギー多消費型の産業であり，日本における最終エネルギー消費の約11％を占めるとともに184.7百万t-CO{sub}2（2004年度）の炭酸ガスを排出している。 以上のことを踏まえ日本鉄鋼連盟では，2010年度において1990 年度基準で10.5％の炭酸ガス排出量削減の自主行動計画を策定し，これに則って鉄鋼各社は種々の省エネ·炭酸ガス削減技術に取り組んでいる。 ベースロードである操業改善や省エネ技術の開発はもちろん重要であるが，種々の廃棄物の鉄鋼プロセスでの利用も炭酸ガス削減の重要なアイテムであり，鉄鋼業が周辺社会と共存していくためには必要不可欠な取り組みである。 本稿では，廃棄物リサイクルの考え方ならびに各廃棄物の技術開発内容を紹介する。