酵素で作る健康食品－食品バイオテクノロジー

摘要

食品の生産においてバイオテクノロジーは古くから重要な技術として幅広く使われている。日本古来の食品である酒，醤油，味噌から最近話題の健康食用油まで微生物や酵素が使われている。 酵素（酵素のほとんどはタンパク質分子である）は，高い分子認識能力を持った生体反応に関与する触媒であり，生体や細胞内での反応のすべては酵素の触媒作用によって起こっている（反応物質である基質Sは，まず酵素Eの活性部位に入り込み複合体ESを作る。 そこで反応が起こり，生成物Pが生成し酵素Eから離れる。 反応式は，S+E←→ES→P+E酵素反応の反応速度式は，一般にミハエリス·メンテン式で表わされる）。酵素反応の最大の特徴は，常温常圧できわめて特異的に反応を速やかに行わせることである。表1に工業的に利用されている酵素の例を示した。