野菜収穫機の開発状況と今後の課題

摘要

近年、農業就業人口の減少と、農業従事者の高齢化が進行しており、農業生産の担い手の確保が急務となっている。このような状況の中で、労働力軽減のための機械化、軽作業化の必要性は一層高まっている。これまでに農業生産における機械化の果たしてきた役割は大きい。 特に、水稲作では、田植機、自脱コンバイン、循環型乾燥機などが開発され、省力的な機械化二貫体系がほぼ確立されている。 しかし、野菜作では、多くの品目、品種に対して、栽培様式、経営規模が地域や作型により大きく異なるので、機械化に困難な面が多い。 第一表りは野菜作の一〇-当たりの労働時間を示したものである。 葉菜類は一〇〇一十五〇〇時間、根菜類は山三〇～一七〇時間、果菜類は一、二〇〇～一、九〇〇時間で多くの労力を必要とする。この中でも、「収穫、調製」に要する時間は三〇～六〇％を占めており、労働負担も大きいことから、その省力化、軽労化の要望が高い。しかし、この作業については、一部の作目(北海道の馬鈴薯やタマネギは省力的な機械化山喜体系が確立している）を除いて機械化が遅れており、手作業に頼る作業が多く、劣悪な作業姿勢での長時間労働を必要としている。