「JEMIMA PA·FAクォータリ」第22回：【計測と制御：わが社の得意技シリーズ】第3回－炭鉱時代から受け継がれてきた干渉計を用いたガス屈折率の測定技術

摘要

理研計器は昨年，創立70周年を迎えた。1939年（昭和14年）の創立当時から受け継がれてきた技術として，光波干渉計式ガス濃度計がある。これは光学式干渉計を用いて，気体の屈折率を測定し各種ガスの濃度を測定するもので，当時は炭鉱の爆発事故を防ぐ目的で坑内のメタン濃度を測定するポータブル濃度計として使われていた。炭鉱という過酷な環境下で使えるよう長年，改良と工夫が重ねられ，大きな温度変化や強い衝撃を繰り返し受けても，測定結果に影響がでない驚異的な耐久性を備えるようになった。1957年（昭和32年）ごろまでに，西ドイツ，ベルギー，フランス，イギリスなどの各国で国家検定を取得し，世界中の炭鉱で使われるようになっていた。（写真1）