量子コンピュータ早期実現の可能性を開くフォールトトレラント量子計算手法

摘要

量子コンピュータは，原子や分子などの微視的な世界を記述する量子力学の特異な性質を利用したまったく新しいコンピュータであり，従来できなかったことを実現できると期待されている。しかし，従来のコンピュータにない特有の誤りが問題となっており，これを訂正しながら信頼性のある計算を実行するフォールトトレラント量子計算が，量子コンピュータを早期に実現するためのキー技術になっている。東芝は，新しいフォールトトレラント量子計算の手法を開発し，この手法を当社で研究開発中の量子コンピュータにも適用した。その結果，誤り確率に対する条件が一桁改善されることを確認した。