鉄鋼材料研究の目標に新しい座標軸を

摘要

大学教官となってからのおよそ30年の間，どうしたら1人でも多くの学生に鉄鋼材料とその研究のおもしろさ，大切さを理解して賢うかに関心を払ってきた．例えば，講義にもそれなりの努力をしてきた積もりである．幸い，触年かなり優秀な学生や元気の良い学生が，卒業，論文研究や修七論文研究を行うために，私の関係する銑鋼材料研究室に配属されてきてくれていたので，そうした努力が報われていたのかと思っていた．しかし，拉近，全くとは言わないまでも，それがほとんど誤解であったことを思い知らされている．何故なら，上に記したような努力を怠った訳でもないのにかかわらず，研究科こ人ってくる学生の中に，勉学に対して積極的でない学生や元気の無い学生が徐々に，それも碓実に増えてきているからである．東京人学工学系研究科長によると，こうした変化は1研究室だけの問題ではなく，火京大学工学部全体でも生じているとのことであるが，少なくても元気の良い学生を世の中，とくに鉄鋼材料にm通する分野に送り出さなければならない自分の立場を考えると，個人的に実行可能な何か良い解決策はないものかと模索させられるこの頃である.