カルボブラチンが誘因と考えられるバソプレシン分泌過剰症を呈した肺腺癌の1例

摘要

症例は71歳，女性.肺腺癌（cT2aN2M化SねgelV)，多発骨転移，癌性胸膜炎，EGFR遺伝子変異性と診断され1次治療ゲフイチニブ（肝障害で中止)，2次治療エル口チニブ（水増加とCEA上昇で中止）が行われた.次にカルボブラチン，ぺメトレキセド併用療法が行われ2コース目で低Na血症を認めた.脳転移も指摘されたが関連はなく，ルボブラチン誘因のバソプレシン分泌過剰症（SIADH)と考えられた.SIADHは，化学療法の1コース目で起こらなかった場合でも2コース目以降に発症する可能性もあり，鑑別診断として念頭に置く必要がある.