膵尾側切除後異時性に発生した浸潤性膵管内乳頭腺症に対して残膵全摘を施行した1例

摘要

膵管内乳頭粘液性腫瘍（intradtlctal papiuary-mucillous neoplasm：IPMN）は，認識の高まりとともに切除例数が増加してきている．IPMNは膵管内を緩徐に発育することから切除率は高く，予後は良好とされている．しかし浸潤癌の頻度が予想外に高く，浸潤癌での予後は良好とはいいがたい.さらに最近では，IPMNでは病変が膵内に多発することや，悪性腫瘍を比較的高率に合併する特徴があることが指摘されてきている.今回われわれは，陣休部のIPMNに対して尾側膵切除（DP）を施行した後に，膵釣部に異時性にIPMNを発生し，残障全摘を施行した症例を経験したので報告する．