アルツハイマー型認知症に対するリバスチグミンパッチの有効性

摘要

要旨2011年にアルツハイマー型認知症（AD)治療薬としてリバスチグミンパッチ（リバス タツチ~Rパッチ）力s使用可能となった。今回，新たにADと診断された軽度から中等度の89 例にリバスチグミンパッチを使用し，臨床効果について神経心理検査を用いて評価した。 リバスチグミンパッチを投与し3カ月（18mg増量時）を経過した症例では，MMSEは投与 前17.8点から19.1点（n = 53， p<0.01), AD AS-J cog.は投与前18.7点から16.7点（n = 51，p = 0.001)と投与前と比較して有意に改善した。投与後6力月を経過した症例のMMSEは投 与前18.4点から20.0点（n = 28， p = 0.01), ADAS-J cog.は投与前18.4点から15.1点（n = 28， p<0.001)といずれも有意に改善し効果は持続していた。ADAS-J cog.の点数を指標とす ると，投与3力月後では約60%， 6力月後では75.0%で改善していた。副作用は89例中81例で調査可能であり，そのうち36例に副作用が認められた。主な副作 用は，局所皮膚発赤20例，搔痒16例，消化器系副作用2例であった。途中中止率は11.2%でめった.本結果より，リバスチグミンパッチの認知機能障害に対する改善効果は，維持量の18mg 到達前から現れ始め，その効果は少なくとも半年後まで継続することが示唆された。