リスペリドン内用液（リスバグール~R内用液）治療に対する患者と医療者の評価－薬物治療アドヒアランス向上への期待－

摘要

統合失調症の薬物療法では，患者自らが治療を継続することができるように協力する「アドヒアランス」の向上を図るための一方法として，抗精神病薬の選択が重要である。そこで，薬物療法における患者の認識·医療者の認識·投与方法·内服時の問題点·剤型などのアドヒアランス向上のための要因についてアンケート調査を行った。対象は，維持療法中の外来患者9人，および，精神科病院勤務の医師25人，看護師21人，薬剤師21人であった。患者と医療者に共通するアドヒアランス向上のための要因は，治療効果の実感·治療効果の明確さ·副作用の少なさ·治療効果の早さ·シンプルな処方·内用液と口腔内崩壊錠などであった。このような要因を満たす抗精神病薬の1つであるリスパダール~R内用液（以下リスペリドン内用液）についての同じ対象でのアンケート調査では，リスペリドン内用液は患者と医療者の両者より肯定的に受け止められており，患者に薦める場合の医療者の抵抗感が少ない結果を得た。