一般成人の'かぜ'診療に対する意識調査2014

摘要

"かぜ"診療に対する患者の期待と実状を把握し，患者満足度の向上に必要なことを明ら かにする目的で，一般成人の"かぜ"診療に対する意識調査を実施した。調査前1年間に "かぜ"などにより「内科」または「耳鼻咽喉科」を受診し，抗生物質を処方された全国の一般成人20歳代，30歳代，40歳代，50歳代，60歳代および70歳代以上の各103名，合計618 名を対象とし，ィンターネットによるアンケート調査を実施した。"かぜ"をひいて医療機関を受診してから症状が改善するまでの日数については，希望と して「翌日」と回答した割合が最も高かった（34.5%)のに対し，実際に改善したのは4日 以上後と回答した割合が最も高かった（51.6%)。また，処方される抗生物質に期待するこ とについては，「早期に症状が改善する」を1位として回答した割合が高かった（62.1%)。 さらに，医療機関を受診して，医師の説明，スタッフの対応や治療に満足した場合にとる 行動として，「家族?友人?知人に教える」や「他の疾患にかかった際にも同じ施設で受診 する（かかりつけにする）」と回答した割合が高かった（それぞれ42.7%, 26.2%)。以上より，患者満足度の向上には，早期に症状が改善する治療を行うことと，患者とき め細やかなコミュニケーションをとることが重要であると示唆された。