ミリブラチンによる肝動脈化学塞栓療法に関する検討 効果的な使用方法について

摘要

2010年1月からミリブラチン水和物（以下 ミリブラチン）を用いた肝動脈化学療法が使 用可能となつた。多孔性ゼラチン粒併用に よる肝動脈化学塞栓療法（TACE)の有効性 については確認されていないものの，従来の 抗癌剤によるTACEと比べ.副作用が少なく 短期効果は同等かそれ以上との報告6)が相 次いでいる。非常に大きな期待とともに使用 され始め，当院においても多くの症例で使用 してきた。期待どおりの効果が得られた症例 がある一方で，比較的太めの血管でミリブラ チン懸濁液が停滞し，動注に引き続く多孔性 ゼラチン粒による塞栓が不十分に終わり，そ の結果として早期に再発した症例を経験した。