精神科病院でのパルビツール酸系化合物を使用しない睡眠薬の治療について

摘要

多種の患者が入院する回復期閉鎖病棟で，パルビツール酸系化合物を使用せず，睡眠障害改善薬にクアゼパム（ドラール~R）とプロムワレリル尿素（プロパリン~R）を併用し，筆者が直接診察した精神分裂病15例をまとめ報告した。他に異なるメジャートランキライザーも併用している。1）入院期間が多少長期になったものもあったが，全例退院した。 2）重篤な副作用は認められなかった。 3）全例に睡眠障害の改善をみた。 入院治療における睡眠障害改善にクアゼパムとプロムワレリル尿素の併用は有効であり，パルビツール酸系化合物を使用したときより，安全性が高いという印象があった。 4）外来治療に移行したときは，プロムワレリル尿素を中断し，クアゼパム15mg2錠単独で問題がなかった。