骨転移を伴う腎がんに対するインタ一フエロンalpha治療中に重症肺炎を発症し，さらにインスリン依存性糖尿病を発症したと考えられた1例

摘要

ィンターフェロンアルファ(interferon-alpha;IFN-alpha)療法は，特に慢性C型肝炎治療において 普及しており，その使用頻度も高くなつてい る。その一方で，その使用に際して種々の副作 用の出現の可能性があり，まれではあるが重篤 な副作用も発生する危険性を伴う，今回筆者らは，腎がんに対するIFN-alpha治療中 に重症肺炎を発症し，さらにインスリン依存性 糖尿病(insulin dependent diabetes mellitus ； IDDM)も合併発症していた1例を経験した.腎がんに対してIFN-alpha使用中のIDDM発症の 報告例はまれであり，重症肺炎での低酸素血症 がIDDM発症の誘因となつた可能性も考えられ た.非常に興味深い1例と考え，文献的に考察を加え報告する.