胎児手術は,出生後の治療では救命が困難であったり,重大な機能的障害が生じたりする胎児疾患を有する患児に対して,胎児期に手術を行うことにより,これらの危険から回避しようとする治療法である.胎児手術の具体的方法は,妊娠25週前後において母体を開腹,子宮切開して胎児を僻帯のついたまま露出し,手術を施行後,ふたたび,胎児を子宮内に戻し,妊娠を継続させるものである.この方法は現象open fetal surgeryといわれている方法であり,1981年にUniversity of California San Francisco(UCSF)のMichael R. Harrison教授こよって世界ではじめて臨床において,先天性尿路閉塞による両側水腎症に対して膀胱瘻形成術が行われた.それから22年の間に,胎児手術手掛こは多くの工夫がなされ,別稿で述べられている低侵襲の手術を目的として胎児鏡を使った,FETENDOとよばれる方法も行われるようになった.
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