脳神経領域におけるクリニカルPETの展望-脳変性疾患の鑑別にどこまで役立つか

摘要

~（15）O標識ガス剤を用いた検査に続き,今春からあらたに~（18）FDG検査でも保険適用が認められ, PETは特殊な研究的色彩の強い検査から,日常臨床評価の選択肢のなかで明確な役割を占める検査へと変わりつつある.PET検査が可能な施設が増えてくるに従って,これまでPET横査にアクセスのなかった医師も.今後は自らPET横査の適応を検討したり,患者からPET検査を希望されるような場面に遭遇することもあるであろラ.PETを活用するには,その適応と限界とをよく理解しておく必要がある.脳神経領域では,脳血管障象　 てんかん.脳腫瘍といった日常的に頻度の高い疾患について保険適応が認められている.また,Alzheimer病をはじめとする痴呆症やParkinson症候群など,脳変性疾患の早期診断,鑑別診断にも有用性が高く,今後の検査の普及保険適応の拡大が望まれている.本稿では,脳神経領域のクリニカルPETについて,とくに普及性の高い検査法を中心に現状と今後の展望を述べる.