複雑系としての免疫系

摘要

免疫系はマクロファージから進化している.マクロファージ時代の草食能を退化させ，接着分子を発展させて認識系を構成した．免疫系とは接着分子と接着分子の間に異物が入ったとき，細胞質内酵素を外に放出して異物付着細胞を破壊し速やかに除くシステムである．その後の進化でNK細胞→胸腺外分化T細胞·B－1細胞→胸腺由来T細胞·B－2細胞．と新しいシステムが上乗せされた．最後に出現したシステムは，自己応答性クローンをnegative selectionで除く外来向けの免疫システムに変身している．システムが上乗せされても下位のシステムが退化し消失してしまうわけではない.緊急事態があると，交感神経系と脳下垂体副腎系を使い，上位のシステムを退縮させ下位のシステムに戻すことができる．可逆的反応である．