染色体工学を用いたと卜の刷り込み現象に関する研究-ヒト刷り込み機構の解析システム

摘要

ゲノム刷り込み遺伝子の機能やその制御機構を解析するためには，細胞内の父親·母親由来の染色体や遺伝子を区別できるDNA多型を用いる必要があり，したがって，刷り込みに関ずる研究にはDNA多型を多くもつF1マウスが用いられてきた．しかし，最近マウスとヒトにおいて刷り込み制御機構が少なからず異なっていることが明らかになり,ヒトの刷り込み遺伝子の研究を網羅的に行うことができる実験系が望まれてきた．当研究室が作製したヒト特異的染色体を含むマウスA9雑種細胞はDNA多型を用いることなくヒトの刷り込み遺伝子の同定やその制御機構を解析できる，また，ニワトリプレB細胞株DT40細胞を介した染色体改変技術を用い．ヒト特定DNA配列をターゲットし．ヒト刷り込み制御にかかわるcis－elementを同定し，その機能を解析できるようになった．