抗体医薬－infusion reactionの管理

摘要

近年，分子標的薬剤の登場によりがん薬物療法の分野においてめざましい発展がみられているが，抗体医薬はその先がけを担ってきた重要な薬剤のひとつである．現在国内で使用可能な抗体医薬としては，rituximab（リッキサン~R），trastuzmab（ハーセプチン~R）があり，先ごろbevacizumab（アバスチン~R）が製造販売の承認を得た．これらの薬剤は他の殺細胞性抗がん剤と比較して一般に毒性が軽度であるとされているが，それぞれに特有の毒性プロファイルを示し，ときに重篤な事象も報告されている．本稿ではこれらのうち，抗体医薬に共通してみられる特徴的な毒性であるinfusionreactionについて述べる．