開業医を対象とした病理解剖の現状

摘要

開業医の診療所，医院，病院において死亡した患者の病理解剖についてはその死因の病理学的検索が必要であるにもかかわらず，実施されることは全国的にきゎめて少なく，これが主治医と患者相互の信頼関係の低下と無用のトラブルを引き起こしてきた.このような実態を憂慮し，愛知県では愛知県医師会と県下の四大学医学部病理学教室との合意により1985年に"愛知県剖検システム"を発足させ，現在までに12年の経過と実績を積むに至っている.全国的にも注目されたこのシステムを紹介し，この利用結果を分析して報告する．