日本の女性医師の現状に関する社会学的考察一女性医師はどのように周囲の環境に適応してきたか一

摘要

近年，女性全般の社会進出に伴い，女性医師数力s増加している.1960 ?1970年代には医学部入学 者における女性割合は10%程度で推移していたが， 1980年代から急増し，1995年以降は30%台となつ た1).それに伴い，1980年時点では10.0%であつ た全医師数に占める女性医師の割合が，2012年 時点で19.7%と急増した2).また，1980年代から 診療科による女性医師の偏在や20代後半から30代前半に一時的に離職する女性医師の存在が指摘 され，ほかの職業と同様，結婚?出産期に当たる 年代にいったん低下し，育児が落ち着いた時期に再び上昇するという，いわゆる「M字カーブ」が問 題とされるようになつてきた.