リベ一卜·アロー アンス依存のビジネスモテソレから脱皮を目，旨している医薬品卸業界

摘要

本稿では，わが国の医薬品卸市場の現状と今後生き残るための戦略とについて考えてみたい.医薬品卸の業績はわが国が高齢者社会に突入していることもあり， 増収卜レンドを続けている.しかしながら，収益面では低下傾向が続き，1998年には営業利益率は1.2%であったが，2008年度には0.3%まで悪化し，10年間で利益率は1/4まで縮小している.一方で，大手医薬品卸の寡占化は進んではいるが， 収益性の改善は見られず，業界再編による規模のメリツ卜の追求には限界があることが確認できる.今後新しい薬価制度が誕生する可能性も高く，今までの商慣習では医薬品卸業界の生き残りは難しいかもしれない.したがって，規模拡大のための医薬品卸の再編から脱却し，医薬品卸業界は新しいビジネスモデルの模索を始めている.従来からの製薬企業からのリベ一卜やアローアンスに依存していた経営が大きく変わろうとしている.とくに，大手医薬品卸4社は主力の医薬品卸を軸とし，一般消費財やOTC医薬品などの非医薬品卸事業への取り組みから， 医薬品製造業から調剤薬局まで取り組むことで，事業の多角化による新しいビジネスモデルを模索している.