C型慢性肝疾患患者におけるC型肝炎ゥィルス自然陰性化：当院での後ろ向き研究

摘要

C型慢性肝疾患患者におけるC型肝炎ゥィルス(hepatitis C virus ： HCV)自然陰性化の 頻度や関与因子を明らかにするため，2006年4月から2014年2月までに当院消化器内科で抗ゥ ィルス療法を行わずに経過観察をしたC型慢性肝疾患患者278例を対象に後ろ向き研究を行つ た.平均観察期間5.8年で，4例(1.44%)のHCVRNA自然陰性化を認めた.自然陰性化群は 持続陽性群に比して，有意に血清HCVRNA, ALT, 7GTP,総ピリルビン，AST to platelet ratio index (APRI)は低く，線維化軽度例（血小板数>=15 x104/muL）が多かった.また，自然 陰性化群全例のIL28B一塩基多型(rsS099927， rsll881222, rs8103142)はmajor alleleであった. さらにHCV自然消失は全てが入院加療（手術または薬剤性肝炎，大腸憩室出血）の後に観察さ れていた.