昭和大学病院で分離された多剤耐性Enterobacter cloacaeの耐十生遺伝子解析

摘要

EnterobacterこはE. cloacae, E. aerogenesなど複数の菌種があり, ヒトゃ動物の腸内常在菌として尿, 便から検出され, また, 下水, 河川, +-壌, 食品に分布する。健常者に感染症を惹き起こすことは稀であるが, 易感染者に対する日和見感染症の原因菌として, カテーテル留置時の尿路感染, 人工呼吸器装着時の呼吸器感染, 静脈内高カロリ一輸液等に伴う敗血症等の重症化の原因となる。 E. do画はAmpC型タ-lactamaseを保有するためペニシリン系, 第2および3世代セフエム系抗菌薬に対して自然耐性を持ちうる。近年, 第3世代セフェムのみでなく力ルバぺネム系抗菌薬に対して耐性を示す菌株の出現が認められるようになり, 当院におけるこれら多剤耐性E. cloacaeの耐性遺伝子解析を行ったところ, 2003年以降の分離株からmetallo-beta-lactamase 遺伝子が検出された。