子どもの症状をどう考えるか 少年犯罪について考える

摘要

某市内での幼児が少年によって殺害された事件について，家裁は，「同少年を児童自立支援施設に送致し，行動の自由を1年間制限する強制的措置をとることができる」とする保護処分を決めた．　 その家裁決定理由（要旨）は新聞紙上に掲載されたが，A新聞によると「…少年の言語性知能と動作性知能との間には極端な差があること，精神病性障害は認められないこと，表出言語 需要言語や認知能力の発達において臨床的に明らかな全般的遅延はなく，2，3歳頃の包括的発達能力にも障害はないこと，少年には通常の言語障害はなく知能も低くないことなどを総合して判断すると，少年は広汎性発達障害の一亜型であると解するのが相当である」とある．しかし，背景事情と動因として，「同障害が本件非行に影響していることは確かであるが，同障害そのものが直接本件非行に結びつくものではない」とされている．