天然由来物質によるがん予防一健康食品のがん予防効果を考える－

摘要

がんの化学予防は,化学物質あるいは食品を用いて積極的にがんの発生を予防することが目的である。 現在の化学予防の主な対象者は,三次予防群の治療後の再発予防や一次予防群のうち高危険度群（がんに罹りやすいヒト）が中心と考えられているが,将来的には幅広く一般健康人を含むことになると考えられる。がんの化学予防の目標は,少しでもがんの発生を遅らせ,天寿を迎えるまでがんにはならないようにすることで,天寿がんの概念が生まれた。 一般に,天然由来のがんの予防物質には緑黄色野菜に含まれるビタミンA,ビタミンC,βカロチンや食物線経などがある。 また,大豆に含まれるフラボノイドやビタミンE,お茶に含まれるエビガロカテキン·ガレートなども知られている。 本講演では,がん予防物質検出のための中期検索法を紹介しながら,実際に検出した天然由来物質によるがん予防効果について述べていく。