ぶどう膜炎に続発した緑内障の線維柱帯切除術後に生じた硝子体出血に対して23ゲージ硝子体手術が有用であった1例

摘要

目的：線維柱帯切除術に続発した硝子体出血に対し23ゲージ硝子体手術を行った症例の報告。症例：82歳女性が両眼の眼圧上昇で紹介され受診した。5年前に落屑症候群と診断され，4年前に両眼に白内障手術と眼内レンズ挿入が行われた。受診7Ej前に眼圧が石70mmHg，左58mmHgに上昇した。経過：受診時の眼圧は左右とも24mmHgで，視力は後嚢切開後右1．2，左1．0になった。11か月後に左眼圧が30mmHgに上昇した。線維柱帯の切開と切除術後，眼圧は10mmHgになった。前房出血が硝子体に拡散し，4週間後に23ゲージ硝子体手術が行われた。術後炎症は軽微で，濾過胞は温存され，眼圧は12mmHgに安定し，視力は1．0に維持された。結論：23ゲージ硝子体手術は結膜への侵襲が小さく，術後の炎症も少なく，本症例のようにぶどう膜炎に伴う緑内障でも濾過胞維持に有効であった。