腰椎分離症分離すベり症に対する内視鏡下分離部神経根除圧術

摘要

腰椎分離症は発育期における椎間関節突起間部の疲労骨折として発生し，成人でみられる分離症は疲労骨折が偽関節として遺残した状態である.両側発生例の一部は分離すベり症へと移行するが，その多くは発育期に生じ，成人以降での伸展は椎間板変性を基盤とする変性すベり症の併発による腰椎分離症の主症状は腰痛であり，疲労骨折の痛みや隣接椎間関節の滑膜炎によるもので，神経根症の発生はまれである.しかし分離すベり症では分離部中枢端にフック状に骨棘が形成され，これによる神経根刺激症状が時として発生する2-8).また中'高年における分離すベり症では，偽関節の病態に加齢による退行変性が加わり，腰痛や下肢痛が多種多様に組み合わさつた症状を呈する.その治療についてはいまだ一定の見解は得られていないが，分離部での神経根圧迫が主因と考えられる場合には神経根除圧術が第一選択とされている.本稿では，内視鏡下分離部神経根除圧術について述べる.