Subdeltoid approachにより摘出した三角筋下脂肪腫の1例

摘要

上腕骨近位部に発生した腫瘤は，通常用いられる進入法では切除困難なことがある．われわれは，sub－deltoidapproachを用いて摘出しえた，三角筋下脂肪腫の1例を経験したので報告する．症例．59歳，男．主訴：左肩から上腕にかけての痛み．家族歴：特記すべきことはない．既往歴：20歳で肋膜炎，30歳で腎結石．現病歴：1994年10月ごろ，左上肢を挙上したさいに，左肩峰下から上腕前外側にかけての痛みと腫瘤に気づいた．放置していたが，徐々に腫瘤が増大したため，1995年1月10日，近医を受診した．2月8日，生検術を受け，脂肪歴と診断されたが，腫瘍が摘出困難な位置に存在したため，3月2日，当科を紹介され受診した．