手術支援ロボッ卜da Vinci Sを用いた胃癌手術の現況と展望

摘要

本邦で唯一薬事法承認の内視鏡下手術支援口ボットはIntuitive社のda Vinci S HD (以下da Vinci S)だけである。一般外科領域ではいまだ 高度先進医療制度の適応にもなつていないが実臨 床に応用する施設はますます増加するものと予測 される。da Vinci Sの特徴は7つの多関節機能を もつ鉗子（EndoWrist)を装着できる3つの口 ボットアームや3Dハイビジョンモニター以外 に，術者の手元の動きと実際の鉗子の動きを変え られるmotion scaling機能や術者の手の生理的 振戦を除去するtremor filtering機能などを有す るために，今までの腹腔鏡下手術ではない術野の 展開や剝離切離が可能となる。