尋常性乾癬に尋常性天疱瘡を合併した1例力ポジ水痘様発疹症が天疱瘡診断の契機となった1例

摘要

31歳，男性.難治性尋常性乾癬のため，初診の1998 年より入退院を繰り返し，副腎皮質ホルモン外用，ビタミンD3外用，ェトレチナ一ト，メトトレキサート内服等で治療していた.2004年，高熱と共に乾癬病変内に多数の疼痛を伴う膿疱と口腔内びらんが出現した. 力ポジ水痘様発疼症と診断し，ァシクロビルの点滴で軽快するも，1週間後口腔内びらんが増悪し，体幹では乾癬の紅斑性局面の辺縁に水疱，びらんが出現した. 皮膚生検と直接萤光抗体法の結果から尋常性天疱瘡と診断し，プレドニゾロン60mg/日内服とメチルプレドニゾロンパルス療法で軽快した.尋常性乾癤に尋常性天疱瘡を合併することはまれであるが過去に報告があり，合併例のほとんどでは乾癬力先行していた.また， 単純へルぺスウィルス感染が天疱瘡診断の契機となつた報告もいくつかあり，本症例もそれに合致すると考えた.