脳へのドラッグデノバリー研究の新展開：高感度質量分析法を用いた細胞膜蛋白発現·機能解析

摘要

循環血液中の薬物が脳内へ到達するには、血液脳関門の実体である脳毛細血管内皮紳胞の血液側と脳側の両細胞膜を透過する必要がある。 血液側の脳毛細血管内皮細胞膜にP－糖蛋白（P-gp/MDR1/ABCB1）が発現し、脳から血液方向への異物排出に働いていることが明らかになって以来、血液脳関門は密着結合という「静的障壁」から、排出ポンプによる「解毒システム」へと概念が変わった。