脂肪組織の凍結標本作製?乳癌迅速病理診断への応用を目指して?

摘要

凍結組織標本作製法は，術中迅速病理検査に用いられる手技であるが，脂肪組織が含まれていると凍結標本の作製が難しく，術中乳腺断端の評価実施を困難にしている。我々は，ゼラチンを利用した包埋剤を国内メー力一と共同開発するとともに，脂肪組織の凍結標本作製に適した凍結プロトコールを設定することで，脂肪を含んだ組織でも良質な凍結標本を作製することが可能となる手技を確立した。今後，乳癌の術中迅速病理診断のより幅広い普及に本法が役立つことを期待している。