北陸電力：生物多様性を保全するための取り組み－「自然環境との調和」への挑戦

摘要

長期にわたる電力の安定供給を図るため、石川県羽咋郡志賀町において、出力五四万キロワットの1号機（一九九三年七月運転開始）、国内最大級である一三五·八万キロワットの2号機（二〇〇六年三月運転開始）からなる原子力発電所を建設した。発電所の敷地は能登半島中央部の西海岸に画しており（図－1）、前面では景勝地「能登金剛」に連なる岩礁が美しい海岸線を形成し、背後には緑豊かな丘陵が広がっている（図－2）。また、青い海と緑の陸を縫うように観光と生活に密着した県道が敷地前面を走っている。これらの環境をそのまま残すため、発電所の取放水施設や港湾などの設計にあたっては、「臨海地点における“自然環境との調和”への挑戦」をコンセプトとし、レイアウトや構造形式に様々な工夫を施し、それを新たな施工技術等で実現している。