酢酸カルシウムとフェニルホスホン酸又はリソ酸モノブチルからCaを含む有機P化合物の調製と加熱変化

摘要

Ca（CH_3COO））2 ·H_20とC_4H9_OPO（OH）_2及びC_6H_5PO（OH）_2との反応により，それぞれブトキシ基及びフェニル基を有するCa含有有枚P化合物を調製した．これらCa含有有機P化合物の粒子形状，比表面積及び熱分解性に及ぼすブトキシ基及びフェニル基の影響を調べ，疎水基を有する多孔質体の調製について検討した結果，以下のことが分かった．C4H_9OPO（OH）_2溶液又はC_6H_5PO（OH）_2溶液にCa（CH_3COO）_2·H_2O溶液をCa／P＝0～2まで滴下していくと，両者の反応は2段階で進み，それぞれCa／P＝0．5又は1のCa含有右横P化合物が生成した100℃で乾燥したCa含有有機P化合物の比表面積は，ブトキシCa－Pは5～6m~2／g，またフェニルCa－Pは30m~2／gであり，フユニルCa－Pは多孔質であった．熱分解温度は，ブトキシCa－Pで250°c，またフェニルCa－Pで300°c付近であり，フェニルCa－Pの方が熱分解温度が高い値になった．Ca含有有税P化合物は，層状構造体を形成しており，これは熱分解によりアモルファスとなり，更に加熱するとα－Ca_2P_2O_7相が生成した．多孔質でかつ疎水基を有するCaを含む有機P化合物としてク100°cで乾燥したフェニルCa－Pが適していることが分かった．