自然災害から無停電電源装置を守る最新の動向

摘要

UPS（Uninterruptible Power Systems：無停電電源装置）は，このような情報·通信システムを支える電気設備として導入される装置であり，24時間365日UPS 給電を求める負荷設備は増加傾向にある。ユーザは，保守点検，拡張工事，既設UPS設備の更新工事など，様々な状況において安定した高品質の電源供給を望んでおり，高度な技術が必要となってきている。また，近年は都市型集中豪雨による浸水被害や落雷の増加，東日本大震災での地震被害，若しくは電力不足に伴う計画停電を経験したことで，自然災害から電気設備全体を守るための対策について意識が高まっている。これらの対策は，これまで行ってきたUPSの冗長化や二重化など，電気的な信頼性向上に着目したシステム構築に加えて，設置場所や施工方法も視野に入れて設計することが重要である。本稿では，自然災害からUPSを守るための対策について，システム的な取組みと施工面での取組み両方の観点から最新動向を紹介する。