地球環境に配慮した24/36kV固体絶縁スイッチギヤ

摘要

社会インフラである電力の安定供給のために必要不可欠な製品の一つであるスイッチギヤが，1890年頃に誕生して以来，既に100年が経過している。 この間，スイッチギヤの形態は世の中のニーズへの対応と技術進歩に応じて，開放型→ハウジング型→金属閉鎖型→密閉型へと変化し，小型大容量化，耐環境性向上，環境調和，安全性の向上及び省メンテナンス化が図られてきた。現在，定格電圧24/36kVクラスのスイッチギヤの主流は，SF{sub}6ガスの優れた絶縁性能を使用したキユービクル形ガス絶縁スイッチギヤ(C-GIS: Cubicle type Gas Insulated Switchgear)である。 SF{sub}6ガスは無毒，無臭，不活性，不燃性の気体で，絶縁耐力と消弧能力が実用上最も優れていることから，6.6kVの高電圧から1000kVの超高電圧機器の絶縁媒体，消弧媒体として幅広く使用されている。また，非常に安定した気体であり大気寿命は3200年と長い。 しかし，赤外線吸収量が大きいため，地球温暖化係数(GWP)がCO{sub}2ガスの23900倍と大きいことから，1997年12月に開催された地球温暖化防止京都会議(COP 3)において排出抑制対象ガスの一つとして指定された。 このことから，SF{sub}6ガスを使用しない環境調和型のスイッチギヤが望まれていた。