新世紀の天燃ガス資源の現状と展望

摘要

世界の25％の石油を乱費するアメリカに次いで8％を消費する資源少国の日本経済は今や油上の楼閣と言われている！ 地球上では一次エネルギー供給の9割が依然として化石燃料（石油40％、石炭26％、天然ガス24％）に依存している。 わが国では化石燃料消費を8割強（石油52.0％、石炭17.4％、天然ガス12.7％）に抑えているが、それは原子力発電により13.0％分が賄われていたからである。 しかし1999年9月末、東海村で核燃料の臨界放射能被爆事故が起きて、原子力発電の安全性や核燃料廃棄物の処分の再点検を世論が叫ぶ中で、昨年、東京電力㈱の原発事故報告の隠蔽事件が発覚したため、原子力発電の予定されていた建設計画の実現が懸念されている。わが国の石油依存度が世界平均レベルより際立って高い反面、比較的CO{sub}2排出量が少ない天然ガスの利用が世界平均レベルの半分にも至らない現状では、21世紀に天然ガス利用拡大が叫ばれるのは至極当然な新潮流であろう。