クロス形表面SH波センサを用いた鋼板の主応力測定

摘要

近年，高度経済成長期以降に建設された鉄鋼構造物の中で，寿命を迎えるものが数多く存在し，倒壊する事例が報告されている．構造物の老朽化に伴う倒壊の例として，笹子トンネルの崩壊事故が記憶に新しい．現在，構造物の検査は主に目視検査によって行われており，定量的な応力評価による保守管理技術が求められている．そこで，非破壊で応力評価が可能な手法に音弾性法がある．これまで問題点として±20MPaの測定誤差が生じていたが，今回，クロス形表面SH波センサの開発により±10MPa以内に精度が向上した．また二軸圧縮試験機を利用し，二軸方向に負荷されるそれぞれの主応力を測定した結果について報告する．