炭素鋼鉄筋およびステンレス鋼鉄筋の腐食に及ぼす塩化物濃度およびpHの影響

摘要

鉄筋コンクリート中の鉄筋が腐食すると，生成するさびの体積がもとの鋼よりも大きいことによる膨張圧のためにコンクリートにひび割れを生じる。 そのひび割れを通じてさらに腐食が進行するという悪循環を生じるので，早期に適切な補修を施さなければ, 鉄筋コンクリートは寿命となる。 健全なコンクリート中の鉄筋は，pHが12．5程度と高いアルカリ性環境にあるため不動態化しており，長期間の間に表面から中性化が進んで鉄筋位置に達するまでは腐食しない。 鉄筋が早期に腐食する原因は種々あるが, 大きな原因の1つは, コンクリート中の塩化物の存在である