多結晶Si型と薄膜CIS型による太陽光発電システムの検討－異方位アレイの出力特性

摘要

従来の結晶Si型太陽電池による太陽光発電システムと新型のCIS型太陽電池によるシステムのように異なるシステムを混在して利用するケースを想定すると，結晶Si 型システムとCIS型システムに関する同一場所における同一条件下のフィールドデータが重要である。さらに，導入量が増えるほど太陽電池アレイを南向最適傾斜面に設置するケースより，多方位に設置するケースが大幅に増すことが予想できる。上記の観点から，今後の太陽光発電システムの有効性と問題点を見出すため，結晶Si型システムとCIS型システムを導入して付属する設備の構築を行った。2つの異なるシステムにはどちらも傾斜角5°の東西の異方位サブアレイを有するように設置した。このようなシステムの温度特性と出力に特化した詳細な比較例やI-Vカーブの実測例が少ないことから，本研究では，異方位アレイの日射強度，モジュールの温度特性，アレイ変換効率および同システムの出力特性について検討した。