事故の再発防止に向けて～潤滑油に関連する交通機関などの事故

摘要

『「安全」を定義するのに，反対語でしか説明できないところに「安全」を考える時のポイントがあるように思います。日常生活や職場にあふれる「危険」とは逆に，「安全」はそれ自体としては世の中に存在しないものだということを示しています。ということは，人間が常に努力していないと守れない－，それが「安全」だということです。過去を知ることは，“その人間の努力”を形作る有効な要素だと思います。そこから，新たな安全への決意が再生されてくるのです。』交通機関に求められる「安全文化」とは，失敗からきちんと学び，それを繰り返さない組織の体質であると云われている。また，アーサー·ブロック著「21世紀版マーフィーの法則」に『失敗する余地があれば，失敗する』『遅かれ早かれ最悪の事態は続けて発生する』と記述されている。本稿は，国内および海外で起きた，交通機関などでの潤滑油に関連する事故を記録し，事故の再発防止に役立てるために執筆した。