廃油·廃液の減量化と処理の動向：廃油の実態と潤滑油リサイクルの現状

摘要

近年，地球温暖化，オゾン層破壊，廃棄物処理，化学物質の安全性等，環境問題が地球的規模に拡大し，国際的に環境への積極的な取り組みが求められている。 国内においては，最近環境基本法の制定をはじめとして，循環型社会形成推進基本法，資源有効利用促進法，廃棄物処理法の改正，その他多くの環境関連法が整備され，環境保護を目的とした法規制が強化されている。 とりわけ廃棄物·リサイクルの問題は最終処分場の逼迫，資源の枯渇等の制約からその対策が緊急の課題となっている。 潤滑油についても平成11年12月に経済産業省産業構造審議会の廃棄物処理·リサイクルガイドラインに追加指定され，循環型経済社会の構築に向けて自主的な取り組みが求められることとなった。 このような状況をふまえ，潤滑油業界では当協会内に潤滑油リサイクル対策委員会を設置し，潤滑油リサイクルの今後のあり方，具体策について検討を進めている。 本稿では，当協会で今まで実施した調査結果等をもとに，廃油の実態とリサイクルの現状について述べ，今後の潤滑油リサイクルを展望する。 なお，ここでは「廃油」を使用済み潤滑油に限定して論じることとする。