化審法におけるリスク評価－第二種及び第三種監視化学物質のリスク評価手法について

摘要

また，本年5月に公布された改正化審法（平成23年度施行）では，既存化学物質を含むすべての化学物質について，一定数量以上の製造·輸入を行った事業者に対して，毎年度その数量等の届け出が義務付けられた。その届出内容や有害性に係る既知見等を踏まえ，優先的にリスク評価を行う必要がある化学物質（優先評価化学物質）を絞り込み，それらについてハザード情報等を段階的に収集し，リスク評価を実施，そのリスクの程度に応じて必要な規制措置を講じる制度となった。これにより，より一層リスクに基づく化学物質管理が強化されることとなる。独立行政法人製品評価技術基盤機構（NITE）では，経済産業省の委託事業（平成18年度～20年度）により，現行化審法における、第二種及び第三種監視化学物質のリスク評価スキームについて検討してきた。本稿では，そのリスク評価スキームの概要と特徴を紹介する。