シリコンフォトニクスを用いたコヒーレント光通信用狭線幅波長可変レーザの開発

摘要

これまでに製品化されているコヒーレント光通信用光源は，大別してDFBレーザアレイやDBRレーザを用いたInPモノリシック集積型とエタロン共振器等を用いた外部共振器型の二つに分類される。モノリシック集積型は，小型であり高い安定性を持つことから広く実用化されているが100kHz以下の狭線幅発振は難しい。外部共振器型は，100kHz以下の狭線幅動作が可能な波長可変レーザが製品化されているが，従来技術で作製される外部共振器は大型なためデバイスサイズの小型化，集積化が難しい。我々は，シリコンフォトニクスを用いて作製した超小型の波長可変フィルタとInP系化合物半導体光増幅器（SOA）チップとを実装プラットフォーム上にハイブリッド集積させた外部共振器型狭線幅波長可変レーザを開発している。本稿では，本波長可変レーザの動作原理と波長可変フィルタの設計方法，動作特性の実証実験結果について述べる。