動的ロードセルの問題点の解明と動的荷重の求め方－ロードセルの出力値は大きさに比例する

摘要

著者らは，動的荷重測定システム内の多重反射の影響で，ロードセルの設置場所の動的剛性が，ロードセルの出力値に大きく影響することをすでに報告した．本報告は，動的荷重測定に適するコラムタイプで受感部寸法の異なる（容量が異なる）ロードセルを用いるとともに，設置台の動的剛性をも変化させての動的載荷実験と波動伝播モデルを採用したシミュレーションで，つぎのことを明らかにした．（1）ロードセルの出力値は，動的荷重測定システム内に生じる応力波の多重反射の影響で，受感部寸法と比例的傾向になる．（2）動的荷重測定システム内の応力波の多重反射の影響を小さくするために，ロードセルの載荷部にゴム製緩衝材を設置すると，ロードセルの受感部寸法や設置台の動的剛性の影響を受けない出力値になる（藤井の研究結果と一致）．（3）さらに，波動伝播モデルを用いた数値計算により，ロードセル寸法を大きくしていくと動的荷重が収束する．この収束値が求める動的荷重となる．